スターク家
“冬来たる”
始祖建設者ブラン ― 歌が真実ならば
ウェスタロスで最も古き血を引くスターク家は、〈英雄の時代〉にウィンターフェルを築いて以来これを保ち続けてきた ― かつて〈冬の王〉として北部に君臨していた頃より。旗印のダイアウルフのごとく灰色で厳粛な彼らは、古き神々とウィアウッドの木々に仕え、北部の厳しき掟を奉じる ― 判決を下す者こそ、みずから剣を振るうべし、と。彼らの言葉は誇りというより、警告に近い。
年代記のうちに
九つの家門が他のすべてに抜きん出て立つ ― エイゴンの名のもとに七王国を治める大公たちである。ここには彼らの言葉と居城、伝説の始祖たち、そして各家門の本質についてのメイスターの率直な記述を収める ― 歌ではなく史書より引いたものである。
“冬来たる”
始祖建設者ブラン ― 歌が真実ならば
ウェスタロスで最も古き血を引くスターク家は、〈英雄の時代〉にウィンターフェルを築いて以来これを保ち続けてきた ― かつて〈冬の王〉として北部に君臨していた頃より。旗印のダイアウルフのごとく灰色で厳粛な彼らは、古き神々とウィアウッドの木々に仕え、北部の厳しき掟を奉じる ― 判決を下す者こそ、みずから剣を振るうべし、と。彼らの言葉は誇りというより、警告に近い。
年代記のうちに
“我が咆哮を聞け!”
始祖賢者ラン ― 〈岩〉をキャスタリー家からせしめたと伝わる
金色に輝き、誇り高く、計り知れぬ富を誇るラニスター家は、賢者ランの時代よりキャスタリー・ロックを拠点に西部を治めてきた。黄金は彼らの鉱山より、傲慢さは彼らの血筋より、等しく確かに流れ出る。そして、ラニスターは必ず借りを返す、と囁かれる ― 信頼と同じほど、畏れをもって語られる言葉である。彼らの真の言葉は「我が咆哮を聞け!」だが、王国が覚えているのはもうひとつのほうである。
年代記のうちに
“炎と血”
始祖エイナー・ターガリエン ― 娘ダイニスの夢に従い、〈滅び〉の前にヴァレリアを去った追放者
古きヴァレリアの竜主にして、〈滅び〉を唯一予見した一族、ターガリエン家は狭い海を渡ってドラゴンストーンへ至り、その百年後、七王国を炎と血をもってひとつに鍛え上げた。以来三百年近く、竜はエイゴンが敵の剣より打ち立てた鉄の玉座に座し続けた。銀の髪と紫の瞳を持つ彼らは、竜の血を清く保つため、兄妹で娶り合った。
年代記のうちに
“我らのものは激怒なり”
始祖オリス・バラシオン ― 一部は征服王の庶子の兄弟とも囁かれる ― 剣をもってストームズ・エンドを勝ち取った
大諸侯の中でもっとも若きバラシオン家は、オリス・バラシオンより興った。彼はストームズ・エンドを奪い、デュランドン家最後の姫を娶り、その戴冠せる牡鹿と、嵐に打たれる居城とを受け継いだ。腕力に優れ、気性の荒いストームズ・エンド公は、王国でもっとも猛き戦士に数えられる。その激怒は嵐そのものだ、と言われる。
年代記のうちに
“力強く育つ”
始祖緑手のガース ― その末裔を称するが、実際にはハイガーデンに家令として入った
肥沃なリーチとその黄金の田畑を治めるタイレル家は、ガーデナー家の家令として身を起こし、緑の伝説に語られる緑手のガースの末裔を称する。富に恵まれ、宮廷風で、黄金においてはラニスター家に次ぐのみ、そしてウェスタロスのいかなる家門よりも多くの剣を旗下に集めうる。彼らの薔薇は、他家が奪い合うほどの土地に、力強く根を張る。
年代記のうちに
“屈せず、撓まず、折れず”
始祖ニメリア女大公とその夫モーズ・マーテル ― 争い合う百の領主を一つの王国にまとめた
最後まで膝を折らず、真に征服されたことのないマーテル家は、太陽と砂と長き記憶の地、ドーンをサンスピアより治める。その血にはロイナー人の血が流れ、ニメリアの一万隻の船によって海を渡って運ばれ、赤き山脈より北にはない法と慣習をともに携えてきた。屈せず、撓まず、折れず ― 竜さえも彼らを打ち砕くことはできず、ドーンはついに、剣ではなく婚姻によって、みずからの条件のもとで王国に加わった。
年代記のうちに
“気高きは誉れのごとし”
始祖サー・アーティス・アリン ― 歌い手を信ずるならば、伝説の〈翼を持つ騎士〉
アンダル貴族のもっとも古く純粋な血筋のひとつ、アリン家は月の山脈のうち高きところに建つ巣城より渓谷を治める。その城はいまだかつて、いかなる軍勢にも落とされたことがない。気高きは誉れのごとし、と彼らの言葉は謳い、その尊厳を、難攻不落の居城と同じほど厳しく守る。隼と月は、〈翼を持つ騎士〉の代より渓谷の空を飛び続けている。
年代記のうちに
“我ら種を撒かず”
始祖〈灰色王〉 ― 〈英雄の時代〉の王、〈溺れし神〉の神官らが真実を語るならば
鉄のごとく冷たきグレイジョイ家は、嵐に叩かれる鉄諸島のパイクより略奪を行い、緑豊かな土地に与えられたものを力ずくで奪えと命じる〈溺れし神〉を奉じる。彼らは伝説の〈灰色王〉の末裔を称し、その王は西の海を統べ、人魚を妻に娶ったと伝わる。死せるものは、決して死なず ― 鉄の民は種を撒かない、鉄の代価を払うがゆえに。
年代記のうちに
“家族、義務、名誉”
始祖歌に語られる英雄はなし ― 河領主らがリヴァーランの支配へと押し上げられ、征服王エイゴンにより〈三叉矛〉の大公とされた
リヴァーランの堅固な居城より川と丘を治める領主、タリー家は、膝を折った褒美として征服王エイゴンより〈三叉矛〉の大公に上げられた。その血筋を飾る伝説の始祖はなく、その名誉はより素朴なもの ― 家族、義務、名誉という三つの言葉に込められている。タリー家の跳ねる鱒は、戦よりも婚姻をつねに急いできた。
年代記のうちに
九つの大家門が大公として七王国を治める ― 北部のスターク家、西部のラニスター家、王領のターガリエン家、嵐地方のバラシオン家、リーチのタイレル家、ドーンのマーテル家、渓谷のアリン家、鉄諸島のグレイジョイ家、そして河間平原のタリー家である。
スターク「冬来たる」、ラニスター「我が咆哮を聞け!」、ターガリエン「炎と血」、バラシオン「我らのものは激怒なり」、タイレル「力強く育つ」、マーテル「屈せず、撓まず、折れず」、アリン「気高きは誉れのごとし」、グレイジョイ「我ら種を撒かず」、タリー「家族、義務、名誉」。家門の言葉とは、紋章の下に掲げられる標語である。
スターク家は建設者ブランドンの末裔を称する ― 〈英雄の時代〉にウィンターフェルと〈壁〉の両方を築いたと伝わる伝説の英雄である。その時代のあらゆる始祖と同じく、メイスターたちは歌が記録に先んじていると戒める ― だがウェスタロスに、これより古き血を保つ家門はない。
スターク家はウィンターフェルより、ラニスター家はキャスタリー・ロックより、ターガリエン家はドラゴンストーンと赤の城より、バラシオン家はストームズ・エンドより、タイレル家はハイガーデンより、マーテル家はサンスピアより、アリン家は巣城より、グレイジョイ家はパイクより、タリー家はリヴァーランより治める。